多汗症による手汗 | 自律訓練法、薬、最後は手術で治療した体験談

多汗症による手汗 | 自律訓練法、薬、最後は手術で治療した体験談

多汗症による手汗 | 自律訓練法、薬、最後は手術で治療した体験談

 T.Hさん(男性)、28歳、バイオリニスト 

手汗が出過ぎてしまい恥ずかしい

私は3歳からバイオリンを習っていまして、音楽大学を卒業し、バイオリン講師になることができました。そして今日までバイオリン一筋の人生を送っています。

私の悩みは手汗がひどいというものです。なんと手から汗が垂れるほど手汗がひどいのです。医者からは手掌多汗症(しゅしょうたかんしょう)だと診断されました。楽譜をめくろうとすると、そこに汗が染みてしまうぐらいです。契約書にサインする時も湿らしてしまい、恥ずかしい思いをしました。

手汗がひどいと日常生活でもかなり支障があります。例えば握手です。音楽家は指揮者と必ず握手しますが、この時に手汗がひどいと、指揮者からは緊張し過ぎだと笑われてしまいます。これが手汗で一番困ることです。ですから握手する時は必ず手を拭く必要があります。

優しい指揮者ならば、「手汗をかかれるほど私は凄い人じゃないよ」とジョークを言ってくれますが、厳しい人だと「君とは握手したくない」と言われてしまいます。

緊張しすぎるから汗が出過ぎる?

手汗に関して友人は「気にするほどでもない」と言いますが、私にとっては深刻な悩みなのです。演奏している時に、手汗がどんどん出て来ますので手が汗で湿ってきます。最終的には水滴になり、床にポタポタ落ちてしまいます。

お客様からは「汗をかくほど本気で弾いてくれるとは嬉しい」と言われることもありますが、どちらかというとそれは社交辞令で内心では「不潔」だと思われている気がします。私にとっては、手汗はコンプレックスで、自分に自信を失うほどの悪影響を持っています。手汗さえなければ自信満々で演奏することができるような気がするほどです。

音楽業界は、かなり狭い世界です。バイオリン演奏者自体少ないので、競技人口も少なく、顔見知りだらけになります。噂はすぐに広がるので恥ずかしいです。なぜ手汗が出るのか原因を考えてみると、お客様から見られているという緊張と、失敗は許されないというプレッシャーが影響しているのだと思っています。

自律訓練法という心理療法

あまりにも手汗がひどいため、病院に行き、皮膚科を受診しました。お医者様によると手汗は自分でコントロールできるとのことです。自分の身体なのですから、確かに自分でコントロールできて当然の話なのですが、私は自分でコントロールできませんでした。これはやり方が不味かっただけらしいのです。

正しくコントロールするには「自律訓練法」を実践することが大切です。これでリラックスできている状態を正しく覚えることができます。一言で言えばリラックスできているという暗示をマスターして、自律神経をコントロールできるようになります。

ただし、演奏中のアクシデントなどで動揺してしまうと、途端に暗示が解けてしまい、その途端から汗が止まらなくなります。結局、お医者様からはこの自立訓練法の存在を教えてもらったことと、精神安定剤を処方してもらっただけでした。

多汗症は内視鏡手術で確実に手汗は止まる

精神安定剤を飲むと、薬が効いている間は確かに手汗は少なくなりますが、薬の効果が切れてしまうとまた汗が出てしまいます。飲み続けないと効果がないのです。飲み忘れると手汗が出てしまうので、もしも家に薬を忘れてしまうと、取りに帰らないと落ち着きません。

そこで確実に治したいと思い、内視鏡外科クリニックに相談すると、神経を切断することで汗をピタリと止めることができるとのことでした。胸部交感神経を切断することで、手から汗を出せという命令が届かなくなり、手汗をかかなくなるのです。

ただし、本当に汗が出なくなるので、手がカサカサになります。自分で手から汗をかけなくなってしまうため、保湿液が必要になるくらいです。しかし、手汗が滴り落ちることもなくなりますので私は手術を受けました。手術はかなり短時間で終わります。私の場合は15分程度で終わりました。

脇の下に5mm以下の小さな穴を開けて交感神経を切るだけです。手術が終わったあとに痛むことはありませんでした。ほぼ確実に効果がある治療法は手術です。今では手汗が出なくなり、手術をして良かったと思えます。