ネイルができない…ピアノがベタベタ… | 手汗に翻弄される私の人生

ネイルができない…ピアノがベタベタ… 手汗に翻弄される私の人生

ネイルができない…ピアノがベタベタ… | 手汗に翻弄される私の人生

 K.Tさん(女性)、26歳、販売員 

リアルで手に汗を握る私の生活

私は景勝地で観光客相手の販売のお仕事をしています。かわいい和柄エプロンのユニフォームで接客していますが、実はこれは私の必需品です。大きなポケットがついているので、中にタオルを2.3枚、常にしのばせているのです。

私は小さい頃から、手汗にかなり悩んでいます。理由について思い当たることはあるのですが、誰か(特に初対面の人)と話したりする際には手汗が噴き出るのです。働いているお店はとても気に入っていますし、接客業が嫌だというわけではないのですが、それでもしょちゅう、ポケットのタオルで両手を拭いてばかりいます。女性の同僚は皆気遣ってくれていますが、学生時代まではこのことでずいぶんからかわれ、嫌な思いをしてきました。

今まで男の人と付き合った経験もあるのですが、手をつないだ時に「…緊張してる?」と言われてはっとし、「この人も、私の手汗をからかっている!」と防衛本能が働いてしまうのです。そこでついつい心の壁を作ってしまい、破局になる…というケースを経験しました。「手に汗握る」どころか、まさに手汗に翻弄されている人生です。

手汗のせいでネイルもできない!

手汗で困ることの一つは、手のおしゃれができないことです。ある時友人に、「Kって、どうしてネイルしないの?」と不思議そうに聞かれました。しないのではなく、できないのです。一度、10代の終わりにネイルサロンへ行ったことがあるのですが、ネイリストさんに手を取られているうちにどんどん手汗がわいてくるのを感じました。そして時々、ネイリストさんが後ろを向いて、さりげない風にタオルでご自分の手をぬぐっているのに気が付いてしまったのです。「もう来れない!」と頭を殴られたようなショックを感じました。

手汗でネイルができない

その後は自分でネイルをするようになったのですが、これもまた失敗でした。私は時々、無意識にこぶしを握る癖があります。はっと気が付いて握った手をひらくと、手汗が出ています。ネイルをしていると、その握っていた手の中にひどい違和感を感じ、汗とネイルの相性がよくないのか、時々手が荒れるようにもなりました。ちょうど、いわゆる主婦湿疹のような感じです。それ以来、ネイルは自分でもやめてしまいました。

同様に、アクセサリーも禁忌です。指輪やブレスレットなどをつけると、そこの部分に手汗がたまり、肌荒れの原因となるのです。金属アレルギーというわけではないのですが、これも手汗のせいだと思います。最近は腕時計ですらつけられません。

一体、何が手汗の原因なの?

一体どうしてこんなに手汗が出るのか、自分でも不思議に思います。ネットで少し調べると、多汗症という病気が原因である場合もある、ということでした。しかし私の場合は、どうも精神的な要因があるように思えるのです。

記憶をたぐると、この手汗について「ずいぶん汗が多いな」と感じるようになったのは、小学校高学年の頃です。私はその頃、個人教室でピアノを習い始めました。先生は静かな年配女性でしたが、私の不器用さにかなり閉口していた感があります。溜息をついて、時折グランドピアノの上に置いてある、レースのハンカチで両手を拭っていたのを覚えています。それを目にしているうちに、「私って手が汚いのだろうか」と考えるようになりました。ピアノの運指は、先生の手に私の手をのせて練習していたのです。「あるいは、先生は私の手の汗が嫌なのかな」とも思い始めました。

その頃から、ピアノのことを考えるたびに、こぶしをきつく握るくせが出始めたのです。はっと気が付くと、赤く爪痕のついた手のひらは汗でいっぱいでした。

手汗が治る日は来るのでしょうか

その後、両親に泣いて頼んでピアノはやめさせてもらいました。両親は娘にピアノを習わせるのが夢だったので、なかなか許してはもらえず、やめたあとも非難ごうごうでしたが。ただ、ピアノをやめた後も、手に汗が噴き出るという癖は残ってしまったのです。ストレスがたまってお腹が痛い時、生理痛にのたうち回るとき、学校でのいじめに耐えている時…握ったこぶしに気づいてはっとすると、そこには手汗があふれています。

また、ごく普通に役所などで受付の人と話している時ですら、手の下に置いていた書類がふやけていたりします。もうこれは、緊張の度合いは小さいものでも手汗に直結して出てしまう、ということなのでしょう。

悩みを打ち明けた、仲のいい年上のパートさんからは「それでも、手は大事だから保湿は忘れずにしましょうね」と言われてクリームを塗っています。ベタベタがひどいことになるのではないかと思いきや、良い香りのするクリームを塗っていると、そんなに不快なほどの手汗は感じません。いつか治るものなのかな、と思いながら、保湿だけはまめにしています。