手汗が多くて手を繋ぐのが辛い… 手掌多汗症の悩みと改善


手汗が多くて手を繋ぐのが辛い… 手掌多汗症の悩みと改善

手汗が多くて手を繋ぐのが辛い… 手掌多汗症の悩みと改善

 I.Hさん(女性)、29歳 

周りと違う特異体質な手

手掌多汗症(手汗)に長年悩まされていました。思えば幼稚園の頃、遠足で隣のお友だちと手を繋ぐ時に、「Iちゃん手が濡れてるよ」と言われたのが始まりだったかもしれません。その頃はもちろん手汗なんて自覚はなく、どうして手が濡れているのかな?と思いました。その後、母と手を繋いだ際に、「手が汗っかきなんだね」と言われ、初めて汗なんだと分かりました。

これがとんでもなく面倒な体質だと気づいたのは小学校に上がってからでした。毎日配られるたくさんのプリントやテスト用紙、どれも提出する時は私のものだけ湿ってヨレヨレなのです。紙に記入する時も、紙が湿ってしまい乾くのを待ってから書いたこともあります。

年齢が上がるにつれ、なるべく紙を触らないように書く術を身につけ、なんとかテストなどは切りぬけていました。ですが、どうしても避けられないのは人と手を繋がなければならない時です。体育の授業や学校祭などで行われるフォークダンス、中学校や高校に行っても人と手を繋ぐ場面は多々あります。私はそのたびに緊張し、どうすれば回避できるか懸命に考えますが、結局何もできず、私の手を触って驚く友人に「ごめんね」としか言えませんでした。

若かりし頃の手汗事情

辛い時代は続きます。女の子の友人は私の手について理解を持ってくれる子がほとんどてしたが、男の子はそうはいきませんでした。学生の時、何かの拍子に男子に手を握られたことがありました。男子に悪気はなく、ゲームをするつもりでした。その男子は私が気になっていた人で、手を握られ私は顔が真っ赤になってしまい、その瞬間、握られた手からも大量の汗が吹き出ました。その男子は直接私に手汗のことは言いませんでしたが、すごく驚いたような顔をしていたのを覚えています。

その後、大学生になり就活が始まりました。面接のたびに吹き出る手汗。私はハンカチを常備して面接直前まで握っていました。社会人になった後も悩みは尽きません。プレゼンテーションの時はもちろん、パソコンのキーボードや電話をとった後の受話器も汗の水滴がついていて、他の同僚に見られていないか恥ずかしくて死にそうでした。

手がコンプレックスの塊

このように、手汗の悩みはずっとついてまわり、私は自分の手が本当に嫌いでコンプレックスになりました。自信が持てず、異性にも積極的になれませんでした。手汗に効果があるという手術なども何度も考えましたし、夏場はこまめに手を洗いに行ったり、冷たい飲み物が入ったペットボトルを持ち歩き、手汗をかいてきたら冷やすという荒業に出ていた時もあります。それでもやはり効果は今一つで、一時しのぎにすぎませんでした。

どうしてこんな体質に生まれてしまったんだろう。普通が良かったのに…。そんな日々を過ごしているうち、私にもようやく春がやって来ました。ある男性とお付き合いし、そのまま結婚することになりました。もちろん、彼は手汗のことを知っていましたが、特に何も気にしていないようでした。自分も汗っかきだから大丈夫だと。それを聞くと安心して私も気軽に手を繋ぐようになっていきました。

自分の手を好きになってみよう

その後、子どもも生まれ仕事を辞めました。それからはパートで接客をしたり、手汗を気にして今まで避けていた人前に出る仕事をするようになりました。前ほど手のことが気にならなくなったのです。

以前は目の前のことより、今自分の手がどうなっているか、周りがどんな目で見ているか、そればかりが気になって積極的になれずにいました。ですが、自分を認めてくれる人がそばにいるうち、自分の手を嫌だと思うことが減っていきました。夫や子どものため、お客様のため、誰かのために一生懸命動かしている自分の手を誇らしく思うようになったのです。

自分を認めれるようになってから、手汗の症状はかなり軽減しているように思います。普通の人と比べたらまだまだ汗の量は多いかもしれませんが、手をこまめに乾燥させればさほど気になりません。自分に自信を持つようになると、極度の緊張や精神的に不安定になることを回避することができます。

手汗症状のある人は気候の変化だけでなく、ほんのちょっとした気持ちの揺れで症状が悪化してしまいます。今は薬や手術などさまざな方法がありますが、まずやってみてほしいことは自分の手を認めること、好きになることです。誰だって汗くらいかく。気にしなくたっていい。そんなゆったりした気持ちで過ごすことを心がけてみてください。